楽曲「火星のくじら」余話

楽曲「火星のくじら」余話

「火星のくじら」歌詞

幼いころ、白昼夢に夢見たあの黄金の入り江を自在に跳ねる黄金のくじら。
今ならきみを具現化できる。
今再び黄金の入り江を訪ねてきみを生かしめよう。
やっと白昼を夢から現へ抽出し、培養できる今ならどの瞬間になってもきみへとアクセスできるのだ。

幼いビジョンに象られた形を降ろすその儀礼を、火星の海でとり行う時に、たしかに黄金のくじらを再び見た。
ない、ない、ないと切り捨てられた黄金の入り江の黄金のくじらが再び命を得て泳ぎ出すなら、ありえぬことが次々と具現化していく。


どうかあなたにも黄金の入り江で黄金のくじらを追うはめが降りかかりますよう。

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仮題は「黄金のくじら」だった。
いつ得たかは不明だが黄金の入り江に黄金のくじらがいて必ず精神的狂乱を収めてくれる、というビジョンをもとに作り上げた曲だ。

そのためオルゴールのような精神に切り込む丸い音が使われている。
実はオケに鏡音レンと私の声をパッチワークした音要素が使われている。
素朴な笛の音はいつも通り。

そして今回の目玉、シンガーとイラストについて。

シンガーはサクヤ様にお願いした。
「神居揺」のカバーを初めて聞いた時からずっと衝撃を受け続けており、いつか依頼できたらという望みが今回叶った。
「火星のくじら」の歌メロは中低音だがその切り裂くような格好良さを聞き手にはぜひとも堪能してもらいたい。

イラストは柳生千裕様の作品を使わせていただいた。
パッと見でも多彩な色使いに圧倒されるが細部を落ち着いて細かく見ていくと「生き生きとした」や「流れるような暖かさ」という言葉が生まれる作品だ。

作品タイトルは教えていただいたのだが公開して良いか承諾をいただくのをうっかり忘れてしまったのでここでは公開しないでおくが、とても私が持っていた「黄金の入り江の黄金のくじら」というビジョンの深みを引き出してくれ、かつイラストのおかげでまた別の風景にアクセスすることも可能な一曲となれたことを感謝の意とともにとても興味深く感じる。

このお二方のおかげでくじらはとうとう形を降ろして泳ぎ始めた。
さぁ、あなたにも黄金のビジョンが降りかかりますように。

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