作曲のためのe^iπ=-1(アッサジと巡るjourney with cyclops)①

作曲のためのe^iπ=-1(アッサジと巡るjourney with cyclops)①

e^iπ=-1を夢見るアッサジ。

久々にLayer-coast、思索の波打ち際の話題だ。ということなので気楽に読んでほしい。
話題は数学だが。

『世界一美しい数式「e^iπ=-1」を証明する』(2019.佐藤敏明)
偶然見かけたこの本により、私は一つのプロジェクトを始めることにした。

曰く、「数学のための脳内ネットワークで作曲する」。

プロジェクト名:
‘journey with cyclops’
『世界一美しい数式「e^iπ=-1」を証明する』(2019.佐藤敏明) を読破し、数学回路を構築した脳で作曲するプロジェクト。

人間の脳は1時間も新しいことを学べば途端にそのための回路が生まれるという。
ただし使わなければ数日で消滅する。

ではもしオイラーの等式の美しさを解説したこの本を通して私の錆びついた数学のための脳内ネットワークを再び復活させた場合、それはどのように作曲へと貢献するのか?
数学を理解するための回路は人にどのような曲をつくらせるのか?
それを知りたいがためにこのプロジェクト、Journey With Cyclopsを始める。

もちろん治験者は私一人だ。他人を巻き込んだら拷問になる。
実験手順については単純明快だ。

毎日数ページずつ、キリのいいところまでこの本を読み進め解き進めていくだけだ。
ただしすべて読み終わってから作曲にとりかかるのではなく同時並行で曲作りも行う。曲のネタは必ずしも数学とは関係ない。(というか数学そのものをテーマにすることは今のところないだろう)

このブログでは毎日どこまで読み進めたかの詳細を記すと共に現在の作曲状況についても報告する。
音源選びやフレーズから想起されるイメージも記していく予定なので数学に興味がなくても読めるようにしていくつもりだ。(ほんとに数学アレルギーの人には勧めないが)

私が自分でこれは数学回路から生まれた、あるいは数学回路が手助けして生まれた音やイメージだと感じたものは積極的にそう記していくがイメージや降ってくるフレーズの出どころというものは非常に抽象的なので関係あるか分からないものについても詳細に書いていくつもりだ。

むしろ読み手の方がこれは数学回路のおかげだろうと気づいてくれるのではないかと期待している。

それでは本日分の報告だ。

実は読み始めたのは今日ではなく2日前だがまだ全くオイラーの等式に関係ない章なので良しとする。
この本は大きく分けて5章に分かれており、オイラーの等式そのものの話が始まるのが何と最終の5章。
何と8割がオイラーとは関係ない話で埋まっている。オイラーの等式に辿りつくまでの梯子が長い。途中で飽きた人も多いんじゃなかろうか。

私はここでプロジェクトにするなど宣言してしまったためにもう投げ出すわけにはいかなくなったけど。

本日は1章のp.40の共役複素数まで読み進めた。1章はどうやら高校数学の復習のようなのでこのプロジェクトがなければ飛ばしてもいいのだが一応律儀に読み進め解き進めている。

久々に数学に帰ってきた当初に感じたのが「身体は覚えている」ということ。平方根などは頭で考える余裕もいらずに覚えている。
かつ「なぜそうなるのか」は説明できないがなぜか解けてしまうということ。
数学は体で覚えている。自転車の乗り方や泳ぎ方と同じように。数学はスポーツだった。

ここで一つズルいことを告白しておくと私は大学時代まで数学は使っており、ブランクが数年なので著者が想定していた読者にぴったり当てはまる人間ではないからかもしれないが、説明が丁寧過ぎてわからなくなることがある。

身体で覚えていることを文字で説明されると混乱するものだ、人間は。

今のところまだ複素数のパートなので「わー懐かしいなー」で楽しめているがいつかこうはいかない日が来るだろう。
私が四苦八苦しながらこのブログを更新せざるを得なくなる日を楽しみに待っていてほしい。

と結びの言葉を書く前に現在の作曲状況だ。

現在は’主に’6/8拍子の曲づくりの最中だ。仮題をtigerという。主に、を強調したのは私が6/8の曲を書く場合ほとんどが5拍子が混ざる変拍子になるからだ。
tigerもすでに5/8と7/8が一瞬出てくる。

tigerのネタはユヴァル・ノア・ハラリの思想に影響を受けているので学術的には数学ではなく歴史の分野に属しているがすでに数学を学びつつある脳が作曲しているので何か新しい風穴が開いているかもしれない。
この曲は自走する物語と人間に関する悲劇と救済の曲になる予定だがあまりネタの方をここで明かしてしまうと作詞に苦労するのでこの辺で。

音使いとしては電子音は控えめでオーケストラ楽器を基盤に世界中の民族楽器が特色を際立たせている。東欧の悲劇の民の歴史、アンデスの山中を吹き抜ける風、南米のリズム楽器に中東の鈴のような音と多彩な民族性が人が作り出した虚構、「物語」を語っている。

1つの曲に世界中の楽器が鳴るのは翻って見ればつまり「どこでもないがどこででもある」というミクロマクロの普遍性を思わせるSFのようだ。

まだ数学回路を使って作曲したと自覚できる段階ではないがまた明日更新する。
本日はここで段切り。どっとはらい。

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