楽曲「狐と翁」「反魂狐」余話

楽曲「狐と翁」「反魂狐」余話

今回の曲はタイトル真っ先にできた。十五夜と狐から世界観がリンクした。

かつ、「満月の夜に新しい下駄を下ろすと狐になる」という民間伝承がその上に屋台骨となった。そういうわけで月見なのに兎ではなく狐である。

イントロからギターのカッティングが使われているがこれは弾いたものではなく3つのループ素材をそれぞれ一瞬だけ切り取りコラージュしたもの。アコギではなく民族系撥弦楽器である。

低音で目立つキックはBDに長洞太鼓が足され、横では締太鼓が転がっている。二種類の琴の音が悠久の仙境を思わせ、中国の笛Diziがそこに輪をかけている。

浄土の茫漠たる娑婆を外れた仙境と人と神域の入り混じった里がマクロとミクロの韻律を踏む。

若宮の守護者としての翁は菩薩と権現し、本地垂迹の心根を眼前に演ずる。中陰にとどまる分岐に思いをはせ、その到来を夢に見た。身は破れ、心は千々に巡りても。

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