狂気を壊変の座につかせ、和解するよりも。創意の突破口とならん。
展開の牢の奥 沈黙で呼ぶ確信は晴れて 謂れは「土人の遊戯」
編みに編まれし天賦を見たか?
Dehi la-ha……
平面の王を見た 癲狂で生む覚醒の中に
呼ばれて「虚数のパレス」 焦がれ焦がれし蓮華は降る、か?
今も常もなしに(今も常もなく) 築いた国慰めに朽ちる(築くわ)
自他も利他もなくて (自他も利他もなく)
下品の性掠めもせぬ清雅の (下品の性掠めぬ)
同素で隔てた美学果ての地で 尊厳のラージャ鉛をふるう
(自他も利他もなきままふるえよ)
影なき複素数理知に明けぬ間に カオス分かたれて天地あれかし
(自他も利他もなきままあれよ天地よ)
01 [In the Realms of Un-Material]
雷の如く癒えない陸に
意思をなびかせる獅子を夢む
櫂の如く幼い夜に
海をかき分ける才を夢む
万 幽事を勧進の才地で生めよ
分岐を望むなら
(勧進の才を望むなら)
まだ万象の時を習いなぞる
ヒューマンハイウェイも懐かしい、と
Dehi la-ha……
待ちかねて落つ花の
明星と薫る金色の疑似で
(明星と薫るわ)
悼めよ「奇人の妄挙」
揺らぎ揺らぎて波紋となる、か?
今も常もなしに
(今も常もなく)
築いた国慰めに朽ちる(築くわ)
自他も利他もなくて
(自他も利他もなく)
下品の性掠めもせぬ清雅の
(下品の性掠めぬ)
披瀝で開く名もなき庭園で
根源のラージャ眠りを生きよ
(自他も利他もなきまま眠れよ)
掛け値のハルシオン凪を歌う間に
破滅穿たれて開闢あれかし
(自他も利他もなきままあれよ創世)
賽の如く 知り得ない時を
息を弾ませ遺すを夢む
魔女の如く見えない壁を
呪詛と奇術で開くを夢む
天つ空事で未踏の開墾を
(未踏の才を描く)
語れ分岐を描くなら
もう寄る辺を忘れて凍え走る
天上railwayも懐かしい、と
雷の如く癒えない陸に
意思をなびかせる獅子を夢む
櫂の如く幼い夜に
海をかき分ける才を夢む
万 幽事を勧進の才地で生めよ
分岐を望むなら
(勧進の才を望むなら)
まだ万象の時を習いなぞる
ヒューマンハイウェイも懐かしい、と
展開の牢の奥
韜晦の心は呼び戻され
Dehi la-ha……
脈打つ船の運ぶものは 潮の記憶携えて
痛切の行路行き来して 開かれるは「創造」
空振る千の言葉連ね 忌む名忌むや?託つなら
弔問のアウラまたたいて 築かれるは「繁栄」
張り巡らす水は 常に猛る獅子をも統べて
白昼夜を降ろすなら 夜陰に都市さえ築く
失うように嘆いた音は 重ね重ね楽と鳴り
見知らぬ想いを通わせて 舞い上がるは「展望」
孤立のパルス互いを呼べよ あちらこちらまたたいて
統合の回路組み上げて 輝き出す「独創」
悼む電信から 千の踊る炎と燃えて
脈打つ声を頼むなら 熾盛に都市さえ築く
02[Vedemの凱旋]
愛しやいつか胸に得た国を 平けくと築く
(愛しやきみと 築き上げる創世)
まだ遠くまだ遠くで潰えた無き者の才で
動き出す胸は時を知る
(昔々別れた無き者の才で いつか成れ
いつか成れ)
可愛いやいつか夢に見た街を 現の灯でなぞり
(可愛いやきみと すくい上げる後世)
まだ遠くまだ遠くで焦がれた諦めの才で
描き出す色が 壁を穿つは
(昔々閉ざした諦めの才で 雷を呼べ
雷を呼ぶは)
ここにあり
張り巡らす未知は 今は陰る草木に眠り
白眉に生を託すなら 余韻に異議さえ根付く
楽しやいつか凍り付く国を 異形の目で癒し
(楽しやきみと 道を占める凱旋)
まだ遠くまだ遠くで破れた傷物の才で
紡ぎ出す歌は波となる
(昔々崩れた傷物の才で 類を積め
類を積め)
親しやいつかたどり着く国の安らけしを祝う
(親しやきみと 語明かす憧憬)
まだ遠くまだ遠くで落とした羨望の才が
帰り着くここは きみに潜み
(昔々逃した羨望の才が 帰るまで
帰るまで)
愛しやいつか胸に得た国を 平けくと築く
(愛しやきみと 築き上げる創世)
まだ遠くまだ遠くで潰えた無き者の才で
動き出す胸は時を知る
(昔々別れた無き者の才で いつか成れ
いつか成れ)
可愛いやいつか夢に見た街を 現の灯でなぞり
(可愛いやきみと すくい上げる後世)
まだ遠くまだ遠くで焦がれた諦めの才で
描き出す色が 壁を穿つは
(昔々閉ざした諦めの才で 雷を呼べ
雷を呼ぶは)
ここにあり
黒い森に羽ばたけぬ猿芝居のブラックスワン。
今はまだ、奇人の嘘のまま、狂人の妄想のまま、馬鹿のふりして生き延びた。
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途絶えた流れに今 分断の雪が降る 同士討ちに倒れた黒い森
道理の軌道に今 燦然と打ち上げる 月を生まぬ夜を写し取る
今は奇人の嘘 エディアカラに生き別れのスワン人目に死に羽ばたきを諦める
今は指さす揶揄 エビデンスの死にぞこない 飛べぬふりして 生き延びた
03 [Silent O Black Swan]
きみを呪う黒には 安楽のその色は
怠惰をないまぜた毒のよう
互いに酌み交わせよ 狂信の盃に
浮かぶ偽装の月 飲み干せば
今は愚昧の黒 病める森に溶け込んでは
スワン闇にまぎれで羽ばたきを確かめる
今は凍てつく地の 非常識の出来損ない
バカのふりして 生き延びた
正解を降る雪は ただ偽装の夜を飾り立て
教唆さえ慈悲と囁いて 昇る月を打ち落とす
(張り子の夜は 月を生めずに 謀る森を)
まだ知らぬ地の果てに
ただ見慣れた地図あてはめて
酔う 全能にさえ驕る白に未踏の地は隠されて
(夜明けのビジョンは森に妬まれ 生まれる前に)
ああ 埋もれ行く
ひとつまたひとつ 間引きの森 スワン
飛べたはずの羽は
ひとつまたひとつ 忘れてもう スワン
見えたはずの月は あー
羽ばたきを待つ闇は 何度も偽装の死を見せかけて
例えの比喩の歌歌い 月の夜を匂わせた
(張り子の夜は 月を生めずに 謀る森を)
知られずと託すように
さあすべての意味言い換えて
鳴る
雷鳴に冴え 覚めるスワン燃える森を羽ばたいて
(畏敬のビジョンは森を欺き 生まれるままに
月を見る)
ああ 月を見る